メトロ☆レンジャー

第12話 その7
「謎解き」


:RAK(マルノウチレッド)
:隼鷹(ユウラクイエロー)
:とわいせるな(トーザイブルー)
:しおん(チヨダグリーン)

薄グレー:ドン・あさみ

:NAL
グレー怪人べるず

(白:ナレーション他)


<前回までのあらすじ>
結束の力で、隼鷹・しおんが復活したメトロレンジャーは、息を吹き返す。

突如として現れたドンの胸元の三角に、一同は…

そしてリーダーは、間に合うのか?

「な…なんだ?!あの三角のマークは?!」

ドンの胸元に突如現れた三角のマークに、3人が注目する。

「う…うぐぐっ…なぜ、隠しておいたゲートが…」

ドンが、三角のマークを覆い隠すようにうずくまる。

「ゲートですって?!」

「あの三角…きっと…あれが…!!」



3人の視線はドンの胸元に向けられる。

「ふふ…確かに、その謎が解ければお前らにかなり有利にはなるだろう」

「だが、どうやってその謎を解くと言うのだ?」

「うっ、そ、それは…」

答えに窮する3人に、ドンは続ける。

「その謎が解けないならば、お前たちはここでくたばる以外の選択肢はない!…いでよ!」

再び、ドンの手元には、あの忌まわしき錫杖が現れた!

「残念だが、どこぞのクイズ番組とは違って、猶予はない 死ぬがよい!」

ドンは錫杖を持って、再び3人に襲いかかる!




遠間で見ていたNALも、その謎は解けていない。

「あれがヤツの弱点なんだろうか しかし、どうすれば…」

「この場合、地球の力を使いこなすドンの方が有利か…」

「いや、そうとも言えないだろう」
怪人べるずが、横から割って入る。

「なに?」

「あの中の誰かが、気が付いているのかも知れんぞ…」




襲いかかるドンには、しおんが立ち向かっていった。

「お前の華奢な体で、どこまで耐えられるか、見せてもらおう!」

「何をー!」

振りまわす錫杖を、しおんは紙一重の差でかわし続ける。
その隙を狙って反撃するも、ドンに逆にかわされる。
一進一退の攻防が続く。

「お前は、逃げ回ることしか能が無いのか!」

錫杖で突き飛ばそうとするドンの攻撃を、しおんは飛び上がってかわす。
ドンは着地の瞬間のカウンターを狙い、再び待ちかまえる。

その時、降下するしおんの体が止まった!

「ん?!」

フワッ…

しおんの背中の羽が再び蘇り、さらに大きくなって空中で停止した。

「くっ、貴様の羽にも、ユリ・カルマのような機能があったとは!」

今度はドンも追いかけるように飛び上がる。

「その羽、むしり取ってくれる!」

「・・・」

ドンが手を伸ばそうとすると、羽が瞬時に変形を始めた。
それは…巨大な拳!変化した拳がドンにカウンターを浴びせる!。

「くっ!」

ドンはとっさに反応し、瞬時にガードするもその衝撃で少し間が出来てしまった。

今度は、羽がハンマーに変化し、ドンのがら空きの後頭部を狙う!
直撃した衝撃で、ドンは落下してしまった。

「ぐがっ!!おのれ!」

「奥の手っていうのは、なかなか見せないものよっ」





しおんが必死にドンを食い止めている間、せるなは頭を抱えて悩み始めた。
「あぁ〜、どっかにないものかな〜 あの力を止めるスイッチが…」

すると…

「そういえば…」

「?」

「あの三角、どっかで見たような形状だ…」

隼鷹の突然の発言に、耳を疑うせるな。

「えっ本当に?!」

「おお、オレが一時的に仮死状態だった時、あれと同じものを見たぞ!」

それを聞いたドンは、照準をすぐさま隼鷹に向けた!

「貴様、どうやら気がつき始めたようだな!ならばその口を封じてくれる!」

せるなには目もくれず、猛然と隼鷹に向かって突撃してきた!
そのドンに向かって、動きを止めようとしおんが再び飛びかかる。

「メトロ・入場規制ーっ!この先には行かせないわ!」

両手をかざし、光の帯を張り巡らすも、ドンの勢いが一時怯んだだけで破られてしまう!
そのまましおんは、突撃してきたドンに弾き飛ばされてしまった!

「きゃーー!!!!」

だが、飛ばされたしおんに変わり、今度はせるなが立ちふさがる!

「メトロ・赤信号! 止・マ・レ!!」

今度は仮想の信号機を作り上げるが、ドンは一向に気にとめない。

「そんなもの、破るまでよ!残念だったな!」

「突破は、お見通しよ! メトロ・ATS強制作動!」

仮想の信号機から、なんと電撃攻撃がドンの背中を襲った!
強制停止の信号の威力の如く、ドンは無理矢理停止させられる。

「ぬあっ、こしゃくな小娘がぁぁっ!!」

「隼鷹さんは、私が守る!」

「ぬかせ!」

ドンは錫杖で、せるなを追い払おうとする。

「えいっ!」

せるなはそれを見て、ロッドで反撃に転じようとしたが…

「かかったな!」

「?!」

ズドーーーーーン!!

錫杖を誘い水に、接近してきたせるなの足元から、大爆発が起こった!

「仕掛け置き石地雷…万が一のために、仕込んでおいて正解だったな
 もはや、せるなの体はコナゴナ…」


爆風で、辺りが見えなくなってしまった。


「よし、これでまずせるなが居なくなった…」



 遠間で見ていた怪人べるずは、まさかの隠し地雷に驚きつつも…

 「(ドンともあろう方が、こんな手を使うとは…
  …せるな!もう一度立ち上がって、私を驚かせてみろ…!)」




「さぁ隼鷹よ、思いだしそうな私の秘密、忘れてもらおうか?!」

ドンはニヤリと笑みを浮かべ、目が赤く光り始めた!

「まずい!隼鷹!逃げるんだ!あれはまずい!」

それは、NALが喰らった、接吻とみせかけた驚異の攻撃・サリンブラストの体制だった。
遠くから見ているNALも必死に叫ぶ。

だが、首根っこを掴まれて脱出が出来ない!

「サ、サリンだと! いや、それよりも口付けはヤバい とわさんに殺される」

どちらかというと、別の恐怖の方が隼鷹の頭をよぎっている。
だが、そんなことを考えている暇などとっくになかった。

「ククク、くらうがいい! サリン・ブラスト!!」

「おわーっ!!」

だが、その瞬間、ドンの唇と隼鷹の顔の間に、しおんが無理矢理飛び込み、立ち塞がった!
しおんは自分のスカートで、無理矢理ドンの顔をふさいだ!

「そんな有毒なもん、撒き散らすなー!自分で責任もって吸って始末しなさい!」

「小田急・防音スカート!」
相互乗り入れしている、小田急の鉄輪に仕掛けたスカートのごとく、ドンの頭を包みこむ!
しおんのスカートの中に頭を封印され、ドンはもがく。

「うぐっ、は、離せ貴様! クソッ、これはかなわん」

なんとか振り払い、その勢いでしおんが隼鷹を助け出した!

「自分にも、有毒なものだったみたいねっ」

ただし、引き換えにしおんのスカートがサリンの毒で溶けてしまった。

「あー、もう!後で弁償してもらうかんね もう邪魔だわ!」

しおんは、ドロドロになってしまったスカートを脱ぎ捨てた。

「うわ しおんちゃん!そりゃまずいって パンツがモロだよ!」

だが、しおんはいたって平静だ。

「これから死ぬか生きるかの闘いに、恰好なんかいちいち気にしてられませんよ!」

「だから、隼鷹さんは謎解きを!」

「お…おう、わかった!」

「えーい、また邪魔立てするか!このアマ!」

ドンの怒りの矛先はしおんに向く。

突進してくるドンに、前方回転で迎え撃つしおん。

「?!」

その瞬間、しおんは逆さまの状態でドンにとびかかり、両足でドンの首を締めあげ、左腕を逆さまの状態で関節技を決めにかかる。

「き、貴様…このまま私が後ろに倒れたらオダブツだぞ!
 せ、せっかくパンツ全開でサービス満点なのにな…」


しおんの心には今は恥じらいの言葉はなかった。
ただ、目の前のドンを食い止めることに集中していた。

ドンはわざとバランスを崩して、しおんをそのまま地面に叩きつけようと試みる。
だが、それを見越したしおんの足の力はどんどん強くなり、思うように行動をさせない。

「この…こうなれば、恥さらしでどかしてくれる!」

ドンは右手を無理矢理外し、こともあろうにしおんのパンツに手をかける!
一気にずりおろそうとした瞬間に、素早くしおんが切り返す。
ドンの背中を取って後ろに勢いよく投げ飛ばした!

「ハァッ!!」

ジャーマンスープレックスにも似たような投げ技で、ドンの後頭部を地面に叩きつけた!

「ぐがっ…おのれ!」

「だいぶ、効いたみたいねっ」

しおんはずらされたパンツを穿きなおし、再びドンと対峙する。
今度はドンが高く飛び上がり、空中からの攻撃を試みる。
それに呼応するように、しおんも背中の羽を使って飛び上がる!

今度はドンとの空中戦になった!

「こしゃくな!叩き落としてくれる」

「そうは、いかないわっ!」

しおんの羽が再度変形し、巨大なファンに早変わり!
大風でドンを寄せ付けない。

「メトロ・懐かしの扇風機!」

「うぬっ、なんという風だ!ならば私も、風速技を出すまで!」

ドンが大きく息を吸い込み、巨大な突風でしおんを吹き飛ばそうとした。

だが、ドンが吐き出す前に、風の勢いに乗ったしおんが突進してきた!

「えーいッ!!!」

ハンマーナックルで、ドンが突風を出す前にダメージを与え、ドンをひるませた。
技が失敗に終わったドンは空中戦を避け、地上へ降りる。


両者が着地。戦況は互角に見えた…が、しおんの背中から、突如煙が出始めた!

「な、なんだ?!どうした、しおんちゃん!!!」

「ハァ…ハァ…」

しおんの息遣いが荒くなってきた。

「睨んだ通りだな、しおん」

「お前、私を食い止めようと必死になるあまり、自分の限界以上の力を出し続けたな。
 まして相手は私。自分の数倍の力を持つ相手にそんな無理をしたらどうなる?」


「し、しおんちゃんの体は、もうボロボロ…
 
もう立っているくらいのスタミナしか残っていないのか…」

「あ、あなた…それを見越して、私と戦っていたの?!」

「お前は突進タイプだが、華奢でスタミナがなさそうだったからな」

ドンはこの状況でも、しっかりと冷静に分析していたのだった。

「スタミナが無ければ、その羽も使えまい!」

ドンは、動けないしおんに体当たりで、高く弾き飛ばした!
そのしおんの体を空中でキャッチし、そのまま地面にしおんの頭を叩きつけた!

その場に倒れ込み、しおんは動けない…!

「廃車重機クラッシュ…」

まさに、重機が車両を廃車にするときの、先端部分の衝撃そのものだった。

その衝撃で、背中の羽も再びボロボロになってしまった。



「さぁ、しおんも動けなくなったことだし。次は隼鷹だな。」

「くっ、そんな簡単にはさせねーぞ!」

「しおんのパンツも半ケツも見たし、もう思い残すことはあるまい 死ね!」

ドンが錫杖を振りかざそうとすると…





「待ちなさい!」

せるなの声だった!

「なに!貴様まだ生きているのか!この死にぞこないが!」

「なんの…まだまだ…隼鷹さんには、指一本触れさせないわ!」

これだけの重傷を負っても、せるなは隼鷹を守るために、ロッドを(文字通り)杖にして立ちあがってきた!

「こしゃくなヤツめ、今度こそ!!」

ドンが両手を広げ、自分の力を周囲に向ける!

「秘技・トンネル崩落事故!」

「えっ…うわあっ?!」

周りにある瓦礫が、まるで生きているように一斉にせるなに飛びかかって来た!
ドンの遠隔操作で次々とせるなの上に瓦礫が降ってくる!

「きゃーーーーーーーーーーっ!!!」

やがて声がかき消されるように、せるなは瓦礫の下敷きとなってしまった!

「と、とわさん!!!」

瓦礫の上に、十字架のような破片が突き刺さった。

「せるなよ、感謝するがいい。お前が死んだら札幌にはく製として飾ってやるわ」

「なに?!札幌…!!」

「(そうだ、オレは倒れていたときに…)」





 隼鷹が倒れていた間の、不思議な出来事・・・

 それは夢なのか、師の世界の話なのかは、わからない。


 「こ、ここは一体どこなんだ?暑い、というか…熱いぞ!」

 目の前には大きな穴があり、そこには溶岩が充満していた。

 「火山の中なんだろうか。マグマが見える…おや、あれは?!」

 そのマグマがやがて、火柱のように上空向かって伸びていく!

 「何かに吸い込まれているようだ」

 隼鷹は上を見上げてみると、そこには三角の大きな窓のようなものが見えた。


 「正三角形というよりも、角が丸みを帯びている。まるで吊革のようじゃないか…」





「オレの記憶はここまでだが…。
 あの時見た三角は、ドン、お前の体に浮き上がったマークにそっくりだった」


「だから何だと言うのだ?」

「それじゃー、謎解きといこうか。あれと同じものが、東京にも、札幌にもある!」

「?」

「それはなー、盲点だったな。吊革だよ」



遠くから見ているNALも、一瞬何のことか全く分からなくなった。
「へ?吊革…???」

「・・・」




「オレの考えた説…地下鉄で使っているあの三角吊革、
 あれこそがドンがエネルギーを吸収する場所、要は供給源。
 あそこからエネルギーを得ていたわけだ」



「えぇーーーーっ?!ま、まさか」
NALにとっても、この発言は衝撃的だった。


「オレがあの場所で見た三角、あれがまさしく巨大なそれだったのさ」

「だから、あの三角を封じてしまえば、お前は地球の力を使えなくなるんだ!」



「・・・!!!」



遂に出所を突き止められ、動揺を隠せないドンであった。

そのドンに更に動揺させる出来事が起きる。


「そっかぁ…ずっとロッドを槍形状にしていたから、盲点だったね」

「?!」

一同が瓦礫の墓をむくとその中から…



「隼鷹さーん、でかした!!」



声と同時に、瓦礫の隙間から光が漏れ、残骸が四方八方に飛び散る!
中から、血だらけになりながらも、せるなが現れたのだった。
まさに、奇跡の復活!


「ドンの三角の謎解き、見事だったよ!」






その頃リーダーは、長い通路をひたすら進みきっていた。

やがて大きな空間に出た。そこがドンの部屋だった。

「なんということだ こんなにあちこちが破壊されている…
 みんなは、どこだ… あっ、あそこに司令が居るじゃないか!」


RAKの位置は、司令と怪人べるずのいる場所の方が近かった。
RAKはまず、司令の元へ行くことにした。

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