メトロ☆レンジャー

第4話
メトロ☆レンジャーの危機


:RAK(マルノウチレッド)
:隼鷹(ユウラクイエロー)
:とわいせるな(トーザイブルー)
:NAL(司令)
(白:ナレーション他)


東京・下高井戸 駅前付近…
鼻歌を歌いながら隼鷹が電車を下りた。

「ん〜♪ 飛び出る〜セリカのへーそ〜♪」

カンカンカンカンカンカン…(踏切音)

「お?」

踏切の向こうに、荷物を抱えた老婆が歩いてくる。

「…!!」

踏切が閉まっているのに気がつかないのか、そのまま歩いてくる!

「あぁっ!!!危ないっ!!!」


しかし踏切侵入直前に、横から若い女性が引きとめた!

女性「おばぁちゃん、ちゃんと前を見て歩かないと危ないですよ」
老婆「あぁ・・・すいません・・・」
女性「荷物・・・私が持ちましょうか」

隼鷹の目の前を、老婆の荷物を持った女性が通り過ぎていく。

「…(涙)…うっうっ…いい人だぁ…」








下高井戸YOUYOU…
パカ「1」台では、RAKがハイスコアアタックをしていた。

「よし、またMAR IKA TAN ZEI ZEIを達成できたぜ!」

「おおっ、隼鷹じゃないか」

「RAKさん、またこんなところで油売ってるんすか」

「そう言うオマエだって、暇だからここに来たんだろう」

「まぁね」

「しかし、何にしても最近は事件も起きないし、平和なのはいいことですよ」

「さっきもさ、ここの店に来る途中で、いい光景を目にしたんですよ」

「ほぅ」

(目を輝かせて)「踏切の所で、お年寄りに優しくする若い女性を見たんですよ」

(目を輝かせて)「そうか〜 なかなかできないことだよな〜」

「普通の、ことなんですけどね」

「ところで、とわさんは?」








南砂町…
とわいせるなは、ある公園の、東西線の先頭部の前に立っていた。

「(…あの怪人べるずの言い残した、言葉が気になる…)」

「(もしも、彼の言葉が本当だとすれば、着々と計画が進行しているのかもしれない)」

「(しかし、最近全く影を潜めている…何か企んでいるのだろうか…)」

「・・・」

女性「へぇ〜、これが廃車になった東西線5000系ですか」

「えっ」

女性「今は05系の台頭で、随分と数が減ってますよね〜」

女性「やはり時代の流れなんですかねー」

「あ…あなたは?」

女性「え?あ・・・私は・・・ただの電車好きですよ。じゃ」

「・・・」

足早に立ち去る女性。

「あの人・・・なんだろう・・・」

「・・・おや?」

5000系の窓から、涙がこぼれている。

「涙…?東葉で仲間をオレンジに塗られたのが悲しいのか?・・・あれ・・・これは?」

ワイパーの間に、紙切れのようなものがはさまっていた。








再び下高井戸YOUYOU。
RAKと隼鷹はパカパカBUZZをしていた。

「いや〜、やっぱ勝てないなぁ」

「しかし、隼鷹もだいぶ上達したな その調子だゾ」

「あぁ、ここにいたのね2人とも」

「おぉ、とわさん」

「早速どうだいBUZZでも」

「これを見てくれない?」

それは、南砂町で拾った先ほどの紙切れであった。

「これは…汽車と線路の絵だな。それに、×印がついている」

「どうしたんだ、これ」

「南砂町の、5000系が持っていたのよ」

「涙を流しながら…」

「な、涙って…鉄道が涙を流したのか?!」

「これはもしや、何かの暗号かもしれない」

「・・・新たな怪人なのかな」

「そのヒントが、ここに隠されているのかもしれない」








メトロ☆レンジャー司令部…
3人が、問題の紙を見て悩んでいる。

東京メトロは・・・首都圏の大動脈。沿線に数多くの重要施設がある

「そうね。国会議事堂や首相官邸、関係各省などもほとんどメトロ沿線だからね。」

東京メトロを征服すれば、この日本を抑えたも同然となってしまう」

「だから、オレ達がこうして、守ってるんじゃないか」

「それを企んでいるであろう、怪人べるず達のヒントが、この絵に隠されているはずだわ」

「・・・ヤツを操っているといわれる黒幕か・・・一体・・・」

そこに、NAL司令が現れた。

「おぉ、キミ達。来ていたのか。」

「いやぁ、参ったよ。ちょっと遠出してJRに乗ったら、京浜東北線が人身事故だかで不通になっちゃって。」

「おかげで遠回りしちゃったよ」

そう言って、NALは奥の部屋へと消えた。

不通・・・ふつう・・・そうか!わかったぞ!」

「何が?」

「この絵よ!鉄道に、×印。これは、鉄道が通れない、という意味!」

「つまり、不通、ってことだな」

「うん。でも、それがどうしたんだ??」

「それをいつもオレ達が阻止してるじゃないか」

「いや、だからね・・・その・・・あぁ!わかったぞ!」

「あの、怪人べるずとその一味よ!彼らは、見た目がすごく平凡だわ」

「平凡って・・・つまりノーマルってことか」

「だから、この絵の意味するところ、そして東西線の流した涙・・・この2点から考えて」

「きっと、あいつらの首領は、普通の人なんだ・・・」

「えーっ??!」








大手町駅…

「もし怪人べるずの残した言葉が本当なら、着々と計画が進行しているのかもしれないわ」

「しかし、もしも彼らの親玉が既に潜伏しているとしたら…」

「・・・誰が敵で、誰が味方かさえも・・・わからない」

「今までのオレ達では、倒せないかもしれない・・・」

「そんな・・・!」

「どうするんだ!リーダー!!!」








その様子を、あの女性が柱の影から見ていた…。下高井戸と、南砂町に居た、あの女性…。

「ムダな事を…メトロ☆レンジャー…フフフフ…」




続く。


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