メトロ☆レンジャー

第5話
チヨダグリーン初登場!


:RAK(マルノウチレッド)
:隼鷹(ユウラクイエロー)
:とわいせるな(トーザイブルー)
:しおん(チヨダ・グリーン)
グレー:怪人一味
(白:ナレーション他)


丸の内線・中野工場。
今日は、丸の内線のうちの編成の一つが、ラッピング電車になるので、その警備の為にメトロレンジャーが派遣された。
司令NALの情報では、怪人べるずがこの電車を狙っているのだという…。
警備員の服装に身を包んだ3人は、その光景を眺めていた。


「あれが、今度の広告電車か〜」

「前回は、ガーナチョコレートに旧塗装車で、マニアを喜ばせたからな。期待大だな」


ピンク系統の色に彩られる丸の内線02系。


「なんだか、女性うけしそうなデザインと色合いね」

「なんの会社の広告なんだろう」

「ちょっと聞いてみようか」

RAKが近くの作業員に声をかける。

「すいません、今回はどこの会社さんの広告なんですか?」

「今回は、中華料理屋だって聞いたなァ」

「本店は、四国にあるんだとよ。関東初進出だってよ。景気のイイ話だぜ」



お昼で作業員が休憩のため、現場を離れていった。
すかさず隼鷹が電車の中に入りだした。

「ちょっと隼鷹さんダメだって!勝手に入ったら!」


隼鷹はその車内を見て立ちすくんだ・・・

「な、なんなんだコレは?!これが中華料理屋の広告??!」

そこには一面、お団子の少女が描かれた広告ばかりだった。
看板娘なのだろうか・・・

「うわっ、可愛い!マリカじゃないか!!」

RAKも興味深々で車内を見まわした。
隼鷹はあまり興味を示さなかったのか、車外へ出た。


「あー、あれマリカだったんだー。」

「RAKさん好きだからなァ はははは」

「あら、あそこには銀座線の電車がいるわよ」

「本当だ。月点検で回送されてきたのかな」

「でも、銀座線って・・・あんなカラーだったかな」

「あれもラッピング電車だね。普通の車両とは色が違う」


隼鷹は目を疑った。


「・・・セリカ????」


羽根帽子におかっぱの少女が描かれた車両が、そこに止まっていた。
一体何の会社が彼女を起用したのか・・・


「ねぇ・・・今お昼だから休憩入ってるよね・・・」

「は?」

「見てきて・・・いい?」

せるなは無言でうなずくと、隼鷹は喜び勇んでその電車へ突進していった。


一人残ったせるなは、呆れるしかなかった。

「全く・・・男ってのはどうしてこう単純なのかしら」


2人が車内で悦に浸ったその瞬間、開いていたドアが全て閉じた!

「?!」

「何だ!まだ作業中なのに?!」

運転室へ抜けるドアも、貫通扉のドアも開かなくなってしまった。窓も開かない。

「大変!2人が閉じ込められたわ!」



しかし・・・閉じ込められた本人達は、さほど苦にして無いようだった・・・

「マリカたん・・・ゼィゼィ・・・」
「セリカ〜」


せるなの力が抜けた。そしてため息。

「ダメだ・・・この人たち緊張感ゼロだ・・・」



どこからともなく声が・・・

「ふふふふ・・・飛んで火に入る夏の虫とはこのことだな。レッド、イエロー」
「メトロレンジャーよ・・・今日こそおまえ達は詰むのだ!」



「あんたは・・・怪人べるず!」

「ブルーよ、おまえの仲間は随分と単純な思想よのぅ」

「うっ・・・悔しいけど言い返せないわ」



丸の内線に閉じ込められたRAK。なんとか脱出を試みる。

「この非常レバーを使えば外に出られるはず・・・な、何ぃ!作動しない??!

銀座線に閉じ込められた隼鷹も脱出を試みるが、非常レバーでもドアが開かない。



「どうして?!東京メトロの非常対策は万全のはず・・・はっ、さてはあんたの仕業ね?!」

「ブルーよ 韓国の地下鉄放火事件は知っているだろう。あの事件では非常レバーが作動せずに乗客が閉じ込められ、そのまま車内で、命を落とした・・・」

「!」


次の瞬間、2人を閉じ込めた車内に、ガスが充満し始めた!

「うわっ、なんだこの煙は!」

「な、なんだ・・・?!苦しくは無いぞ・・・」

「ん、なんだ・・・はっ、め、目の前にマリカたんが?!

セ、セリカだ〜!!


「な、何をしたの?!」

「今、車内に充満しているのは、思想を鈍らせる特殊なガスだ。その名もZEI−ZEI
「あのガスの中では、正常に行動が出来なくなるのだ。」
「それに・・・今見ている幻覚では、排煙装置を作動させたくは無いだろうなァ・・・」

「な、なんて卑怯な!」

「こうなったら、私一人でも変身よ!とぉっ!」


「メトロ☆レンジャー トーザイブルー!」

「ほほぅ 負けるとわかっていても一人で立ち向かうとは、相変わらずいい度胸だな」
「ようし、おまえには違った絶望を見せてやろう。あれを見るがいい」

べるずの指した方向には、布で覆い被さった電車があった。
「ベール・オープン!」


べるずが命令すると、そこから同様にピンク色にラッピングされた丸の内線が現れた。


「実は、すでに1編成は、ラッピングが終わっているのだよ」

「何ですって!NAL司令の情報だと1編成ずつのはず!」

「ふふ・・・情報など、いくらでも操作できるものよ。日本政府はいい教訓を示しているからな」
「あの広告、よーく見てみるがいい」

「・・・・!!」



広告に描かれている少女こそ同じものの、あからさまに違う広告が車内中にあった。

呪文のように描かれた「マリカたんゼィゼィ」の言葉。

露出度の高い過激な衣装の数々。




「もし、あの電車が本線に入ったとしたら、どうなると思う?」

「・・・メトロのイメージが、落ちちゃうわ!(汗」

「そして時間を見ろ。もう本線に1本入れる時間なのだ。」
「既に、あの電車が入る手筈になっておる」

「そ、そんな!今からでも別の電車を」

「無理だ・・・さぁ、運転席の怪人・チャイナスキーよ!その電車を走らせて、マリカ飯店を存分にアピールしてこい!

「了解!ゼィゼィ」

「お願い!とまってー!!」


無常にも、電車は少しずつ進行していく。
場内制限があるので、非常にゆっくりだが、確実に進んでいく。



「はっはっはっ これでメトロも終わりだな」

「待ちなさい!」

「む、だ、誰だ?!」

べるずの目の前に、フリルのスカート姿の美女があらわれた。

「むむっ、誰だおまえは?!」

「あたしの名はしおん。メトロ・レンジャーのメンバーよ!」

「何だと?!メトロレンジャーは3人のはず!」

「情報は、常に変化するものよ!変身!」


「メトロ☆レンジャー チヨダ・グリーン参上!」

「ブルー、待たせてゴメンね!もう大丈夫よ!」

「グリーン!来てくれたのね!」

「こしゃくな・・・何が大丈夫なものか」

「こっちには、秘技があるのよ!」

ゲスト召喚!唯さ〜ん、お願いします」

しおんに呼ばれて、滋賀からきた唯嬢。
髪をお団子にまとめ、帝北寺製・マリカ衣装を身に着けて現れた。

「えと、私は何をすれば良いんですか?」

「あ、その端に立ってるだけで大丈夫よ」


その瞬間、電車の動きが止まった。


「あっ、どうしたチャイナスキー!」

「ふふ・・・チャイナスキーの弱点、それはマリカコス!」

「マリカコスを見るためなら、仕事も忘れるのよ」

「な、なんと!チャイナスキーの弱点を見破っていたとは!」

「さぁ、ブルー!とどめを刺すわよ!」

「やるのね!アレを!」

「チャイナスキーの最大の弱点をつく秘奥義!」

「メトロ・チャイナガール!」「チェンジ!」


その瞬間、2人のバトルスーツが一瞬にしてチャイナ服に変身した!

「NAL司令の地元は横浜!チャイナに変身するのはデフォルト機能よ!」

「メトロも中国語で案内する時代だからねっ♪」

「うわぁ〜、たまらぬぁ〜い」
怪人チャイナスキーが電車から飛び出してきた。

「こ、こらっチャイナスキー!貴様使命を忘れたのか!!」

「さぁ、とどめよ!」


「メトロ・チャイナライナー!」

ブルーとグリーンが、変身したままチャイナスキーを囲んだ!
その瞬間、チャイナスキーが大量の(鼻から)出血をして、倒れた。
やがて、怪人の姿から、人間の姿に戻っていった…

Shinさん、あなたが・・・!」

「大丈夫、彼は操られていただけで、気を失ってるだけよ」

「臨時列車の技が、こんなところで役に立つなんて・・・」

メトロ・チャイナライナーの発動で、べるずの魔力が解けてしまった。

「さぁ、残るはあなただけよ!怪人べるず!」

「ブルー、ここは協力技で!」

「OK!」

(2人合わせて)「メトロ・パンタグラフウィングシュート!」

べるずの予想だにしないブルーとグリーンの大技で、べるずは吹き飛ばされてしまった。
「おのれー!まさか第3軌条の丸の内線の中野工場でパンタグラフ技を出すとは意外過ぎる!・・・このままでは済まさんぞぉ〜メトロレンジャー!!」

そう言い残すと、べるずは彼方に消え去った。

「やったねっ♪」

「ありがとう、グリーン!まさか来てくれるとは・・・」

「NAL司令に言われて、急遽来てみたの」



変身を解いた2人。

「あっ、そういえばリーダーと隼鷹さんは?!」

見返すと、閉じ込められたドアは開いていたものの、2人はそこから出てこない・・・

「おかしい、魔力でラッピングも消えたのに・・・?」

「マリカたんゼィゼィ・・・」

「セリカ〜」

「・・・(怒)」
せるなの怒りゲージはMAXに達した!

「あわわわ、せ、せるなちゃん?!」


「正気に戻らんかぁぁぁぁっ!!!」
「2人とも、甲州街道に、ぶん投げてやるぅ!!」



「ひ、ひぇぇぇぇっ!」

「た、助けて〜」

逃げ回る2人を、せるなが巨大ハンマーを持って中野工場中を追いかけまわす・・・
それを見てしおんは、苦笑いするのだった・・・



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