メトロ☆レンジャー

第9話 〜2〜
「分断」


:RAK(マルノウチレッド)
:隼鷹(ユウラクイエロー)
:とわいせるな(トーザイブルー)
グレー:怪人べるず & Other…

(白:ナレーション他)


<前回までのあらすじ>
しおん救出と、NALの仇討ち、そしてゴムタイヤ同盟への決戦のために新橋に来たメトロレンジャーの3人。
待っていたのは怪人べるずの待ち受ける魔法陣。
3人は変身し、その中へ飛び込んでいった!

3人が飛び込んだ先は、何も見えない真っ暗な空間だった。静寂が辺りを包み込む。

「ここは…?」

「べるずよ!俺たちの前に姿を現せ!」

それから程なくして、3人の前方に突如風が吹き起こる。
同時に聞こえる、チュンチュン…というスズメの鳴き声にも似た、聞いたこともない音が聞こえた。

「ようこそ、メトロレンジャー諸君」

目の前に、怪人べるずが現れた!
相変わらずの怪しいマスクと帽子、コートのスタイル。

「とうとう現れたわね!しおんちゃんを返しなさい!」

「…まぁ、待て」

「せっかくここまで、お前たちは死ぬ覚悟で来たのだ。私も、それに応えようと思う。」

「なんだと?!」

「どうせなら、完全決着をつけようではないか。」

「…?!」

「メトロレンジャーは3人、そしてこちらからも3人で、決闘を申し込む。」

「何?!!」

「どうする。やるのかやらんのか。」

「むぅ…」

「(恐らく、こいつらは本気だ…)」

「(しおんちゃんを助けるならば、3人倒せ、ということなのね…)」

「よし、受けてたとう!」

「決着をつけてやるぜ!」

「よし…では、ルールを説明しよう。
今より1時間以内に3人を倒さなければ、しおんの命はない。


「な、何ですって?!」

「話が違うぞ!今日1日のはずではないか!」

「思い出せ…あの日のことを。
しおんを私が連行したのは、正午だ。
今が午前10時55分…すなわち、あと1時間しかないということだ。」


「まさか…あと1時間しかなかったなんて!」

「それゆえ、面白い仕掛けを用意してみた。」

べるずは、闇に浮かび上がったスイッチを押した。
音とともに周囲の闇の中から、ライトのようなものが現れた。

「このライトは、1秒ごとに1つ進む。すなわちここには、3600のライトが存在する。」

「見ろ」

べるずの指をさした先は、ちょうど20分後の部分。
その部分のライトだけが大きく、20と書かれていた。
そこにあったのはケースに入れられたしおんの時刻表!

「あぁーっ!しおんちゃんの時刻表がある!」

「見ろ!あっちには…40のところには、しおんの変身用の服があるぞ!」

「ということは…」

恐る恐るべるずの背後に目をやってみた。
3人の目の前に飛び込んだのは、磔(はりつけ)にされたしおん!
そこには、60と記されていた!

「そして、あのライトの仕掛けについて説明しよう。論より証拠だ。」

べるずが、手に持っていた先ほどのスイッチを、点灯しているライトに向かって投げつけた!
その瞬間!

激しい轟音とともに、スイッチの部品が粉々に砕けた!

「…このライトには、高圧電流が流れている。もしこれが、それぞれのものやしおんを直撃したら、どうなると思う?」

「…黒くこげた、ケシズミになってしまうのか!」

「それを避けるには、20分おきに我々を倒し、この鍵を手に入れることだ。」

「なんて卑劣な…絶対にやっつけてやる!」

「いでよ、我がゴムタイヤ同盟の精鋭戦士よ!」

べるずの一声と共に、フードマントに身を包んだ敵が現れた!
だが、それは1人だけ。

「なんだ、3人じゃなかったのか?」

「3人目は、もういるぞ。ただ、恥ずかしがり屋でな…」

「何?!」

その瞬間、せるなの足元に六角の魔法陣が現れ、同時に黒い腕がせるなの両足を掴んだ!

「きゃあぁぁぁっ!!」

「せるな!!」

だが、そのまませるなは魔法陣の中に引きずり込まれた!
そして、魔法陣が消えた…。

「とわさーーーーーーん!!!」
隼鷹は、魔法陣のあった場所に叫び続けたが、返事はない。

「無駄だ隼鷹、せるなは既に異空間の先だ…
勝たない限り、ここには戻っては来られまい。」


「なんだと!」

「相変わらず卑劣なマネを!許せん!」

「おまえとRAKの相手は、この我々だ。」

先ほど現れたフードマントの敵が、べるずの前に出てきた!

「さぁ、思いきり暴れるが良い、シャトール!」


フードマントを取って現れたのは、…






































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               ─( ゚ ∀ ゚ )< さいたまさいたま!
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さいたま〜〜〜!   >( ゚∀゚ )/ |    / \__________
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「な、なんだぁ?!」

「さいたま????」

その左さいたまと右さいたま、そして太陽が合体した!
そして現れたのは、機械の戦士!
色とりどりの両腕に対し、ボディは黄色をベースに構成されている。


「あれは…埼玉新都市交通ニューシャトルだ!」

「東北新幹線と、併走しているアレか!」

「あれもゴムタイヤだけど…やはりゴムシードの仕業だったのか!!」

「さよう。残念ながら、山口線は支配下に置くことが出来なかった。
だが、同じ埼玉ゆえ、隼鷹を倒すならニューシャトルが適役だと思ったのだ。」


「そうか…じゃあ…一番手はオレか!!」

「大丈夫か隼鷹。敵は手ごわいぞ!」

「任せてくださいリーダー!あんなやつら、オレひとりでやりますよ!」

「冷静になれ!ここは慎重に行くのだ。
先手はお前に任せるが、危なくなったら交代だ!」


「わかりました!」

「ほぅ…タッグ形式か…それもよかろう。」

「さぁ、午前11時だ!決闘開始だ!!」


遂に、戦いの火蓋が切って落とされた!
同時に、電流の流れたライトも、1秒1秒進み始めた!

その頃…異空間に引きずりこまれたせるなが気がついた。

「ここは…?」

周囲は、黄色い壁に包まれている。静寂に包まれた空間だった。

「ようこそ…七星音緒さん…いえ…今はとわいせるなさんと呼ぶべきですね…。」

「?!!」

振り向くと、そこにいたのは黒い服を身にまとった人物が!
男性なのか女性なのか、判別が出来ない端麗な顔立ち。

「どうして…私の昔の名前を?!」

「このような形で、お会いすることになろうとは…これもきっと、何かの宿命ですね。」

「誰?!」

「お初にお目にかかります。私、名波狩魔と申します。

「!!」

「う、うそよっ!!狩魔さんが…敵だなんて…信じられないわ!!」

「信じる信じないは、あなたの自由です。しかし、真実はひとつなのです…。」

「私が、名波狩魔であることに変わりはありません。」

あまりにも受け入れがたい事実に、錯乱状態のせるな。
なぜ?どうして?かつてぱるメロスタッフとして一緒に仕事をしたのに?!
矢継ぎ早に、頭の中を様々な思いが駆け巡った。

「そ…そんなこと…信じられないわ!」

「じゃあ、証拠でもお見せしましょうか。」

狩魔と名乗る人物は、せるなに何かカード状のものを投げつけた。

「見たら、返してくださいね。」

それは…狩魔の本名が書かれている免許証!!

「こ…これはまさしく本物!」

「さて、これで信用していただけたでしょうか?」

「…奪ったの?!」
せるなは、やはり疑心暗偽であった。

「やれやれ…まだ信じていただけませんか…しょうがないですね。」

「ならば、このまま闘っていただきましょう。
私はその為に遠路はるばる北海道から来たのですから。」


狩魔の両手に、カードのようなものが浮かび上がった!
そして、それを一斉にせるなめがけて投げつけてきた!

「ウィズユーカード・シャワー!」

鋭利な手裏剣と化したカードが、高速でせるな目がけて襲い掛かる!

「…はっ!(いけない!このままでは…)」

「喰らいなさい!」

「うわぁっ!!」
すべてを防ぎきれず、せるなは一部のカード攻撃を喰らってしまった!

「これがメトロレンジャーの実力とは思えません。さぁ、立ちなさい。」

「…言われなくたって…!!」
少しふらついたが、せるなは再び立ち上がった!

「ならば、今度はこれはどうですか…?」

狩魔は両手を掲げ、無数のチップが現れた!
「ぱるメロカラーチップ!」

今度は4色のチップが無数飛んできた!

「…!これはチャンスだわ!」

ひるむことなく、今度はせるながロッドに力を込め、同じくチップを発生させた!
「ちるちるピシバニールチップ!!」
そしてもうひとつの塊を同時に発生させた!
「ちぇりおんNamed"H"チップ!!」

「行けぇーーー!!」

「な…数が多い!!」

私の担当キャラは裏キャラ!チップ数はコッチの方が多いのよ!狩魔さん!」

「しまった!忘れていた!(最近メロやってなかったから…)
…防ぎきれない!!」


チップの量の多さで狩魔を圧倒し、チップが狩魔の体にダメージを与えた!
ところが、せるながその瞬間目にしたものは…!!


(続く)

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